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CRP(C反応性蛋白)とは——歯科医院で血液検査を行う理由
歯科医院で「血液検査」と聞くと、少し意外に思われるかもしれません。当院では、必要に応じてCRP(C反応性蛋白)という炎症マーカーを参考にしながら、治療方針を考えることがあります。
高感度CRPの測定方法——指先からの採血で約7分半

当院では、高感度CRP(hs-CRP)を測定するために、小型の臨床化学分析装置「スポットケムバナリスト(SPOTCHEM BANALYST SI-3620、アークレイ社製)」を導入しています。指先からごく少量の血液を採取するだけで、約7分半ほどで結果がわかります。静脈からの採血のような時間や負担がかからないため、診察の合間に検査を行い、その日のうちに炎症の有無を確認しながら治療方針を検討することができます。
口腔内の炎症が全身に広がるリスク
口腔内の炎症が悪化すると、顔面が腫脹したり発熱したりすることがあります。ひどい場合には、鼻や喉、頭部、さらには心臓のほうまで炎症が広がることもあります。
患者さんの免疫状態が乱れているときには、こうしたことが起こりやすくなります。炎症が強い場合、飲み薬の抗生物質だけでは効果が十分でなく、炎症を抑えきれないことがあります。その場合には、点滴による抗生物質の投与を併用し、炎症を抑えることもあります。
CRPは治療方針を判断する材料の一つ
CRPは、体のどこかに炎症が起きているときに上昇する数値です。歯周病、智歯周囲炎、う蝕による根尖性歯周炎、顎骨の骨髄炎なども、立派な「炎症」の一つです。全身の炎症レベルと口腔内の状態は無関係ではないと考えられています。内服薬と点滴のどちらを優先すべきか迷う場面では、CRPの値が一つの判断材料になることがあります。
あくまで「参考値」——多角的な評価を大切に
大切なのは、CRPはあくまで「参考値」であり、これだけで診断が確定するわけではないという点です。当院では、唾液検査や口腔内の所見と組み合わせ、できるだけ多角的に全身と口腔の関係を見える化することを心がけています。
CRPと健康寿命——久山町研究からわかること
CRPは近年、健康寿命の延伸や健康状態の管理においても重要視されています。日本における比較的大規模な研究として「久山町研究」があります。この研究で導き出された結論は、CRPが0.10mg/dL以上であった方は、20年ほどの期間を経て、心臓病や脳の疾患など、様々な慢性炎症に起因する疾患になりやすい傾向があった、というものです。そのため、参考値の一つとして、日本人の場合は0.10mg/dL未満に炎症をコントロールしておくことが望ましいと考えられます。
「痛くない炎症」にもご注意を
炎症というと、痛みを伴うものを想像されるかもしれません。しかし実際には、痛みを伴わない炎症も多くあります。その代表例が、口の中の炎症や、上咽頭などのどの奥の炎症、副鼻腔炎などです。隠れた炎症を見つけて治癒させておくことは、将来の健康につながります。
まとめ——「削る・埋める」から「炎症の見える化」へ
「削る・埋める」だけの歯科医療から、「炎症を見える化し、根本にアプローチする」歯科医療へ。CRPの活用も、その小さな一歩です。
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