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皮膚科や美容クリニックで、エラの張りや噛み締めが気になって、エラ(咬筋)へのボツリヌス治療を受ける方は少なくありません。実は当院の筋電図測定で、ある患者様の咬筋の活動が想像以上に低い値を示していたことがありました。ご本人は「食事には影響がない」とのことでしたが、こうした「測らなければ気づけなかった変化」があることを、日々の診療で実感しています。
この記事では、噛み締め・ブラキシズム(歯ぎしり・食いしばり)と筋電図測定、そして他院での施術歴をお伝えいただく大切さについて、院長の立場からお話しします。
噛み締め・歯ぎしりは「自分では気づきにくい」
「自分は歯ぎしりや食いしばりはしていないと思う」とおっしゃる方は多いのですが、睡眠中や集中しているときの無意識の噛み締めは、ご自身ではなかなか気づけないことが知られています。
手がかりになるのは、歯のすり減り(咬耗)、骨隆起(下あごの内側や上あごにできる硬いふくらみ)、エラ(咬筋)の張りといったサインです。こうした所見から「無意識の力がかかっているかもしれない」と気づけることがあります。
筋電図測定でわかること
筋電図測定は、咬筋などの筋活動を数値として記録し、「今の状態」を客観的に確認するための検査です。感覚や印象ではなく、数字をもとに現状を一緒に把握できるのが特徴です。
「噛み締めが強いのか・弱いのか」「左右でバランスに差があるか」などを見える形で共有できるため、マウスピース(スプリント)の設計やその後の経過を見ていくうえでも参考になります。
美容目的のボツリヌス治療と咬筋の活動
咬筋へのボツリヌス注射(エラの張りに対する治療)によって筋活動が低下することは、研究でも報告されています。一方で、その程度には個人差があり、日常の食事には影響が出ないケースも多いとされています。
効果の持続は数か月程度で、続ける場合は繰り返しの注射が必要になることが一般的です。大切なのは、効果と変化の両面を知ったうえで、ご自身で納得して選択することだと考えています。当院は美容施術の良し悪しを判断する立場ではなく、「今、咬筋がどんな状態か」を一緒に確認するお手伝いをしています。
当院でのご提案:ボツリヌス治療と、注射以外の選択肢
当院でも、咬筋へのボツリヌス治療を行っています。エラの張りや噛み締めが気になる方に対して、筋電図などで現状を確認したうえで、適応やご希望をふまえてご提案しています。
一方で、噛み締めへのアプローチは注射だけではありません。夜間の負担を分散するマウスピース(スプリント)のほか、日中のセルフケアとして、マグネシウムを配合したバームを気になる部分に塗っていただく方法などもご案内しています。マグネシウムやセルフケアの働きについては、研究が発展途上の部分もあり強く断定できるものではありませんが、日々の習慣を支える選択肢の一つとしてご相談に応じています。
どの方法が合うかは、お一人おひとり異なります。「まず注射を検討したい」「できればセルフケアから試したい」といったご希望も含めて、現状を一緒に確認しながら、無理のない選択を整理していきます。
他院での施術歴(注射歴)をぜひお伝えください
咬筋へのボツリヌス注射を受けている場合、筋電図の数値やマウスピース(スプリント)の設計・経過の見方に関わる可能性があります。そのため、他院での注射歴は問診の際にぜひお知らせください。「美容クリニックで受けたことは歯科に関係ないのでは」と思われがちですが、お口と筋肉の状態をより正確に把握するための大切な情報です。
噛み締め・食いしばりは全身にも関わります
噛み締めや食いしばりは、お口の中だけの問題にとどまらないことがあります。顎や首・肩まわりの筋肉が緊張し続けることで、肩こりや頭痛につながる場合があるとされています。また、睡眠中の強い歯ぎしりは眠りの質を下げ、疲れが取れにくい一因になることも指摘されています。
背景にストレスや睡眠の乱れが関わっていることも多く、噛み合わせだけでなく生活全体を見ていく視点が役立ちます。当院では、お口を全身とのつながりの中でとらえ、無理のない範囲で現状を整理していくことを大切にしています。
まとめ:まず「現状」を一緒に確認してみませんか
噛み締めやエラの張りが気になる方、美容目的でボツリヌス治療を受けている・検討している方は、まず今の咬筋の状態を一緒に確認してみませんか。筋電図測定は、診断や治療を断定するものではなく、選択肢を整理するための検査です。当院ではボツリヌス治療に加え、マウスピースやマグネシウム配合バームによるセルフケアなど、注射以外の方法もご提案しています。
無理のない範囲で、ご自身のペースでご相談ください。ご予約はWebまたはLINEから承っています。
監修:手塚充樹(ヘルシーライフデンタルクリニック 院長・歯科医師/博士(歯学))












