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歯周病の治療がきっかけで、重度の糖尿病に気づけた話

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歯周病の治療がきっかけで、重度の糖尿病に気づけた話【新橋駅・内幸町駅】精密治療・予防重視の歯科|ヘルシーライフデンタルクリニック

歯科医院では、虫歯や歯周病の治療を行うだけでなく、お口の中の小さな変化から全身の健康状態に気づくことができる場合があります。今回は、当院で実際にあった出来事をご紹介しながら、定期的な歯科受診の大切さについてお伝えします。

ガイドラインどおりに治療を進めていたはずなのに

歯周病の治療を行う際、当院では診療ガイドラインに沿って治療を進めています。しかし、ガイドラインどおりに進めているはずなのに、なぜか思うように症状が改善しないケースに出会うことがあります。

最近、まさにそうしたケースがありました。糖尿病の既往歴があり、しばらく内科への通院が途絶えていた患者さまです。歯周病治療を続けるうちに、「歯ぐきの反応が鈍いな」と感じることがあり、院内で血糖値を測定させていただくことにしました。

血糖値の検査結果

検査の結果は、正直なところ驚くものでした。空腹時血糖値は300mg/dLを超え、食後およそ3時間が経過した時点での数値でしたが、これは明らかに高い値です。すぐに内科をご紹介し、精密検査を受けていただいたところ、HbA1c(ヘモグロビンA1c)は12%以上という結果が出ました。これは入院治療が必要なレベルに近い数値です。

参考までに、正常値の目安は空腹時血糖値が70〜99mg/dL、HbA1cが5.6%未満です。この患者さまの数値がいかに深刻だったか、お分かりいただけるかと思います。しかも、本人にはほとんど自覚症状がありませんでした。

患者さまからいただいた言葉

検査の結果をお伝えしたところ、患者さまからは感謝の言葉をいただきました。以前、入院やインスリン注射、その他さまざまな治療薬を試した時期もあったそうですが、いったん糖尿病の状態が落ち着いたため、現在も落ち着いているものと認識されていたとのことでした。

しかし今回、歯周病治療をきっかけに、糖尿病が再発していたことが分かったのです。

もしこのタイミングで気づくことができなければ、重度の糖尿病を見過ごしたまま、歯周病の治療や被せ物の治療、インプラント治療などを進めてしまうところでした。糖尿病の状態を把握せずにインプラント治療を選択していた場合、インプラントが生着しないだけでなく、術後感染を起こしたり、歯科治療全体の成功率が著しく低下してしまう可能性もあります。

歯周病と糖尿病、切り離せない関係

「歯の病気」と「血糖値」は、一見すると無関係に思われるかもしれません。しかし、この2つは非常に深く結びついています。

血糖コントロールが乱れると、免疫機能が低下し、歯周組織の炎症が悪化しやすくなります。傷の治りも遅くなるため、歯周病治療がなかなか効果を発揮しない状態になってしまうのです。

そして、その逆もまた起こります。歯周病による慢性的な炎症は、血糖値のコントロールを乱す方向に働きます。どちらが先に悪化したというわけではなく、お互いに影響を与えながら悪化していく「相互悪循環」の関係にあるのです。

放置していたら、どうなっていたか

糖尿病を長期間放置すると、さまざまな合併症のリスクが高まります。網膜症・腎症・神経障害といった「三大合併症」をはじめ、心筋梗塞や脳卒中、認知症など、健康寿命に関わる重大な疾患につながることもあります。

今回のケースでは、歯科の受診がきっかけとなり、異変を早期に発見することができました。ほとんど自覚症状がないまま進行していた糖尿病が、歯周病治療の「つまずき」から見えてきた形です。

お口の中は、全身の状態を映す鏡でもあります。口の中の変化が、全身の病気を見つける入口になることは、歯科の臨床現場では決して珍しいことではありません。

歯科医院だからこそ気づけること

歯周病の治療がガイドラインどおりに進まないとき、私たちはいつも「これは本当に歯ぐきだけの問題だろうか」と自分たちに問いかけるようにしています。

歯周組織の反応が鈍い、傷の治りが遅い、炎症が引きにくい——そうした小さな違和感の一つひとつが、実は全身からのメッセージであることがあります。歯ぐきだけを診ていては、その声に気づくことはできません。

今回のケースでも、「いつもと違う」と感じた小さな違和感をきっかけに血糖値を測定したことが、深刻な糖尿病の再発を早期にキャッチすることにつながりました。気づけたことと、気づけなかったこと。その間には、天と地ほどの差が生まれます。

歯科医院をもっと活用していただきたい

「歯が痛いから歯科医院に行く」という時代は、少しずつ終わりに近づいているのではないかと思います。もちろん、痛みや不具合の治療は歯科医院の大切な役割です。しかし、それだけではありません。

口の中を定期的にチェックすることは、全身の異変に気づくための「気づきの場」にもなります。今回のケースのように、歯周病治療をきっかけに重大な疾患の兆候を見つけられることもあるのです。

健康寿命を伸ばすこと、そして生活の質(QOL)を高めること。そのために、歯科医院をもっと活用していただきたいと考えています。痛みがなくても、定期的に歯科を受診すること。それが結果的に、全身の健康を守る一歩になるかもしれません。
当院では、こうした全身の健康と口腔の関わりを大切に考えながら、日々の診療にあたっています。気になる症状や不安なことがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。

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